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ブラック企業、若者使い捨て。物騒な言葉が世の中を騒がせています。

東洋経済でも
いよいよ夏休みが終わり、学生がキャンパスに戻って来る。各大学では10月から3年生を対象にした就活セミナーが始まる。今年から就活スケジュールが後ろ倒しになったものの、3年生の最大の関心事は就活。景気回復で以前よりも就職が楽になったとは言え、これから就活を開始する大学3年生はさまざまな不安を抱えていることだろう。特に学生が気にするのは、いわゆる ブラック企業 の存在だ。2014/09/29 東洋経済online
http://toyokeizai.net/articles/-/48520 
といった風に報道されており、学生さんの大きな関心事である就活で、いわゆるブラック企業を引き当てないように警戒しているとの内容の記事が出ています。

『最初の就職はくじ引きみたいなものである』と指摘したのはドラッガーですが、誰であってもくじ引きだと言っても明らかなハズレくじは引きたくないですよね。

また、ハズレだと分かったときに出直そうと思っても、『新卒』以外になると途端にハードルが上がるという、労働市場の問題があるので 、やはりブラック企業といったハズレは引きたくないとの行動は合理的だと思われます。
  • ブラック企業・若者使い捨て企業に経済的合理性が存在している
さて、ブラック企業や若者使い捨て企業がはびこるのは、経済的な合理性が悲しい事に存在する為であると考えられます。

というのは、大部分のブラック企業の経営側も、別に「若者を苦しめてやろう」なんてサディスティックな目的で経営しているわけではないと考えられるからです。(もちろん個人の趣味嗜好は様々なので例外はあると思いますが)

しかし「若者のキャリアなどを考えずに使いつぶすつもりで働かせた方が儲かる」といった経験則があれば、企業がブラック化する事へ対する歯止めは、企業倫理と法律のみとなります。
  • 公害問題との類似性
と、こういったお話に似たものを、我々は歴史の授業で学んだはずです。それは、すなわち公害問題です。一昔前は工場のばい煙でぜんそくになる人や、言葉に表せないほど悲惨な公害問題があちこちで発生していましたよね。

そして、それらは基本的には克服されており、我々はそういった事が過去にあったと歴史の授業で学んでいるはずです。

では、どうして公害問題が解決したのでしょうか?企業の倫理観が向上したからでしょうか?そういった面も一部ではあったと思われますが、様々な規制ができたり、公害問題を起こした場合の企業イメージの悪化は収益性の減少に直結したりと、一言で言うと公害を垂れ流すのが割に合わなくなったという事であると思われます。

つまり、公害を垂れ流す事が経済的に合理的だった時代から、それが割に合わなくなった時代になったというのが基本的な構造であると考えられるのです。

こういった外部に経済活動のツケを回すのを経済学的には『負の外部性』と言います。

では、現在ブラック企業を営むこととはどのようなことでしょうか?公害問題と似たようなイメージで、社会が育成した貴重な資源である若者を自社の都合のみで使いつぶすといった行動です。つまり負の外部性という言葉で表すことが出来るような行動ですよね。
  • どうすればいいのか?
上のように、歴史に学ぶとブラック企業や若者使い捨て企業に対する対策が見えてくると思います。

すなわち、公害に対する対策と同様に、行政側からの様々な規制(厳しい経済的な罰則を含んだモノ)を実施し、消費者側も、そういったブラック企業や若者使い捨て企業のモノやサービスを購入することは望ましい事ではないとの意識を共有していくことだと思います。

簡単に言うと、ブラック企業は経済的に割に合わない状態にする事ぐらいしかブラック企業問題解決の糸口にはなりえないのではないかと考えられます。