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『こびとづかん』で有名な長崎出版が自己破産を申請したとの事です。報道では

  「こびとづかん」シリーズで知られる長崎出版が東京地裁に自己破産を申請、30日までに破産手続き開始の決定を受けた。信用調査会社の帝国データバンクによると、関連4社も同様に破産手続きに入り、グループの負債総額は17億4千万円という。
中略
それまでは年商1億円程度だったが、2012年度は一気に16億円を超える売上高に成長。これで古着ショップのチェーンを買収したり、持ち株会社制度を導入して会社規模を拡大するなど拡大路線を取ったが、失敗し経営破綻した。2014/9/30 msn産経ニュース

とされており、企業の拡大路線に失敗して経営破たんに追い込まれたとされています。
 
  • 売上が大きくても…
さて、 売上が大きくなったにもかかわらず倒産したという事に違和感を感じる人もいるのではないでしょうか?だって、売上1億円の出版社より、売上16億の方が大きな会社ですもんね。そして、大きな会社ほど潰れなさそうですよね。

でも、そうは問屋がおろしません。別に売上高の多寡が企業の価値の高低を示すわけではありませんし、売上が大きな会社でも倒れる時はあっという間です。そして、そういった事がある為、様々な経営分析の手法が編み出されてきたのです。

みなさんも自己資本比率とか流動比率といった言葉を聞いたことがあると思います。

これらの経営分析の手法は、決算書(が正しと仮定して)の数値を分析して、企業が潰れやすいか否かを判断しましょうというものです。

そして、「自己資本比率が高いからこの企業は比較的安全だね」とか、「流動比率が高いから短期的な資金繰りも比較的大丈夫だと判断できますね」といった風に考えるのです。
  • 売上が急に増えるとどうなるの?
さて、当該企業の財務諸表を入手したわけでもないので、ココからはあくまで一般論ですが、売上が急に伸びる時には注意が必要です。

売上が減少して行く場合、だんだん業績が悪くなってきて倒産に至るという流れは想像がつくかも知れませんが、売り上げが急増していきなり倒れるといったケースも多いのです。
  • まず、資金面の問題が生じます
売上が拡大した場合、従来よりも多くの資金が必要となります。

例えば、ひと月100万円の売上だった小売業が1億円売るようになると、その分だけ運転資金が必要になりますよね?(モノが無ければ売上など作れませんからね。)

小売業の場合は、売上ですぐに現金を回収できるので問題は少ないのですが、これが現金を回収するまで数か月かかるような業界だった場合、非常に大変なことになります。

例えば、1億のモノを売って、2か月後に代金を回収する製造業があったとします。また、そのモノの原価は5千万だったとします。

これだけの要素では「5千万円も儲かるからバンザイだね」と思われるかもしれませんがお金の出入りのタイミングを考える必要があります。

例えば、売り物を作る為の5千万の原価は1か月後に支払わなければならなかったらどうでしょう?お金が足りなくなりますよね?

このような時に活躍するのが金融機関で、社長さんは運転資金を融資して貰うといった対応をするのです。
  • 企業の組織にもひずみが出ます
また、売上が急拡大したような場合、その業務をこなすために組織も拡大していく必要が出てきます。そして、組織を急拡大しようとすると、教育訓練が十分ではない人材を第一線に投入したり、多量の在庫を管理する仕組みが無いにもかかわらず多量の在庫を管理するといった無理が生じてきます。

また、社長個人の力量に負っているような企業の場合、社長の目が届かなくなるといった問題も生じます。

こういった問題にうまく対処できなければ、待っているのは企業の死なのです。
  • 急拡大する際には上手く外部の資源を
もちろん、追い風が吹いている時には行けるところまで行きたくなるのが人情ですし、そこでアクセルを踏み込めるのが優れた経営者の条件なのかもしれません。

しかし、事業の急拡大には上にあげたようなリスクがつきものなのです。(一言で言うと、事業が急拡大するとコントロールが効かなくなるんですね。)

そのため、そういった事業の急拡大の局面においては、上手く外部の資源を活用して、コントロールが効かなくなくなった所をカバーしてもらうと良いと考えられます。

事業の拡大局面では、勝ち馬に乗りたがる人も多いでしょうから、信頼できる専門家の手腕を活用するといった事も視野に入れてみるとよいと思います。

その際は経営全般について見ることができる「中小企業診断士」さんの知見を利用すると良いですよ。(こういうモノ言いをポジショントークといいます)