4416の自由帳

4416のキャビネットです。ビジネス寄りの自由帳です。

2015年05月

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オワハラという言葉をご存知でしょうか?筆者は不勉強で知らなかったのですが、日経新聞電子版では以下のように報道されています。

来春卒業する大学生らの就職活動が学生有利の「売り手市場」で進む中、企業が内定や内々定を出した学生に、活動を終えるよう働きかけを強めている。一部では過剰な行為が「終われハラスメント(オワハラ)」などと呼ばれて問題化するケースも。学生の自由選択を妨げれば違法行為となるおそれもあり、文部科学省は今年度、初の実態調査に乗り出す方針だ。2015年5月9日 日経新聞電子版
「(就活)終われハラスメント」略してオワハラなのですね。よくもまあ、次から次へといろいろな事を考えだすなぁと感心してしまいますが、このような行為に遭われた就活生さんにとっては非常に大変な問題だと思います。

というか、職業選択の自由っていう基本的人権の尊重といったお話を憲法を持ち出してしなくとも、このような行為が好ましくないということは、企業側もわかっているはずなのですが。

とはいえ、このような行為を行うような企業がどのような体質であるか、そしてそのような企業に就職することが好ましいかについて一般論ではありますが考えてみたいと思います。

  • 担当者ベースでは
さて、企業の採用担当者ベースではこのような「オワハラ」という行為をするインセンティブは働くでしょうか?これはおそらくYesになります。

というのは莫大なコストをかけて採用活動を行っているわけですから、「すみません、この前内定を出した岡田さんが他社に就職しちゃいました」などといった報告を上司にする事は決して喜ばしいことではないのです。

もっと言うと、採用担当者ご自身の評価にもかかわる問題なのですね。そのため、内定の事態を引き起こすような事が無いように、就活生には自社が内定を出した時点で就職活動を取りやめてほしいと考えるのが普通だと思います。

  • そうはいっても
ただし、担当者ベースでそのように考える土壌があったとしても、それを実行するか否かは別の問題です。「早くついたほうが望ましいからスピード違反する」とか「コストを削減したいから従業員を無給でサービス残業させる」といった事はやったらだめですよね?

それと同じで、自社が人材を確保したいからと言って、就活生に就職活動の終了を迫るというのはよろしくない行為なのです。

  • よろしくない行為が蔓延する企業
さて、ここからはそのような行為が容認されている企業に、就活をやめろと迫られて素直に入社することの良しあしを考えます。

まず、人事部の担当者ベースでの判断でヤメハラが行われている場合を考えます。仮に会社側はこのようなオワハラをするつもりがない場合です。この場合、「会社はそういう考え方じゃないから大丈夫だよ」と判断してしまいがちですが、これは判断が甘いです。

この場合、担当者ベースでの望ましくない行為を、組織として止められるだけの体制が整っていないといった事が問題です。

厳しい言い方をすれば組織の体をなしていない可能性があるのですね。

また、担当者にそういった判断をさせるような評価基準が組まれている可能性もあります。

自社が内定を出した就活生さんが内定辞退をする事は最初から想定できることです。その場合、ある程度の内定辞退者が出たとしても、それは採用担当者の責任に帰すことはできないはずです。

しかし、そのような担当者の責任ではないことまで責任を問うような評価基準が設定されるような会社である可能性もあるのです。

そのような企業で働く事が望ましいでしょうか?

次に、組織的にオワハラを行うような企業だったらどうでしょう?この場合は、もっと根深い問題を抱えている企業であると自ら告白しているようなものです。

一般的なアドバイスをさせていただくなら「そのような会社に入るのはやめたほうがいいですよ」となりますよね。

  • オワハラは長期的には企業にもマイナスになる
オワハラを容認するような組織やそれが行われていることが管理できないような組織は問題を抱えていると考えられます。

また、就活生さんの間で「あそこの企業はオワハラがひどいから受けないほうがいいよ。」などと評判になってしまえば優秀な人材を採用することが困難になってしまいます。

また、オワハラを受けてその会社に就職した人が、長期的にその会社で頑張る程の忠誠心を感じるかどうかも疑問です。

このように、短期的な採用担当者の保身や組織的な都合を重視していると、長期的にはマイナス面が出てくると考えられますので、オワハラといった行為に手を染めないようにしたほうが望ましいと考えられますね。

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天気情報で

台風6号がフィリピンの東を北上中。このあとは勢力を増しながら日本付近に近づく見込み。来週前半は大荒れの天気が予想されます。台風が接近する沖縄だけでなく、広い範囲で注意が必要です。
来週月曜~火曜 沖縄に接近

台風6号の予想進路図を見てみると、来週11日(月)ごろから進路を東寄りに変え、12日(火)には沖縄に最接近する見込み。大雨や暴風、高波に十分に警戒してください。月曜日から影響を受ける可能性があるので、この週末のうちに備えをしておくと安心です。2015年5月8日 tenki.jp

といった風に、台風6号が発生し、さらに、日本付近に近づいてくる見込みであるとの報道がなされていました。

我が国は春夏秋冬という美しい季節があり、また季節ごとに美味しい物が食べられたりと非常に魅力的な風土を持っています。

しかし、どのようなことにも負の面はつきもので、このように夏から秋にかけては台風による風水害が発生する可能性があります。

しかし、備えあれば憂いなしです。防災、特に緊急事態が発生しても事業を存続させるBCPについて考えてみたいと思います。
  • BCPって?
さて、いきなり外来語が出てきてしまいましたが、BCPとは(Business continuity plan)の頭文字を取った言葉で、危機的な事柄が発生した時であっても事業の継続を図る。もしくは、目標時間をあらかじめ決めておき、その目標時間内に復旧できるようにするといった事を指す言葉です。

少し前に中小企業庁が音頭を取って「中小企業BCP策定運用指針」を定めていましたのでひょっとしたらご存知の方も多いかもしれません。

と、なんだか難しい言葉ですが、そのような言葉は、我が国では諺として「備えあれば憂いなし」と表現されています。

と、このような言葉は、人的な被害が発生しないことが大前提になります。その為、事業の復旧の前に従業員の避難計画をしっかりと立てておくといった事が非常に重要になります。
  • リスクを洗い出す
さて、例えば、店舗の地下に大きな倉庫を持っていてそこに大量の在庫を抱えているような小売業があったとします。

そして、今回のように台風が接近しているような場合で発生が懸念されるリスクは、浸水被害を受ける事や停電が発生すること等が挙げられます。

では、どちらの被害についてもコストをかけて対策を採るべきでしょうか?経済的な資源が無限にあるならばそういった対応も可能ですが、一般的には発生頻度と発生した場合の被害の大きさを考えて何から対策をすべきかを考えていきます。

そして、そういった優先順位を考えるためにも、発生した事柄がどの程度の被害をもたらすかについて把握しておく必要があるのです。

このお店では、在庫を地下倉庫に保持しているので、浸水被害を受けると、地下にある在庫がすべてダメになるといった甚大な被害を受ける可能性があります。しかし、停電が発生してもそこまで大きな被害にはなりません。

そのため、停電対策は後回しにして浸水被害への対策を考えていく必要があります。
  • なにから復旧すべきかを決めておく
さて、リスクを洗い出して浸水対策が重要であることが判った後は、浸水が発生しないようにするために災害が発生した際に何をすべきかを考えていきます。

また、浸水が発生した場合でも、どこから手を付けるかをあらかじめ考えておく必要があります。

例えば棚の上の方には高価な商品がしまってあるので、まずは排水ポンプを復旧し水をくみ出す。といった風に決めておくのですね。
  • いつまでに復旧するか、どの手順で復旧するかを決めておく
そして、被害が拡大しないように、また、速やかに復旧できるようにあらかじめ段取りを決めておくことが大切になってきます。

少し長期的なスパンで、災害からの復旧のために保険をかけておくとか、融資を受けられるあてを作っておくといった事も大切になります。


我が国は美しい四季があったり土地土地で文化や名産品があったりと非常に魅力的な風土に恵まれています。しかし、台風に代表されるような自然災害は避けられないといった問題も抱えています。

災害は発生してしまうとの前提に立って、災害が発生した後に速やかに事業を復旧し地域の雇用や従業員の生活を守るといったBCPについて考えてみてはいかがでしょうか。

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ソフトバンクにヤマダ電機。言わずと知れた業界の巨人です。その巨人同士が手を組んだというニュースが入ってきました。

ヤマダ電機(9831.T: 株価, ニュース, レポート)とソフトバンク (9984.T: 株価, ニュース, レポート)は7日、資本業務提携を結んだと発表した。ヤマダ電機は、ICT(情報通信技術)を活用してスマートハウス事業などを強化する。
中略
ソフトバンクの孫正義社長とヤマダ電機の山田昇社長がともに創業者であることから「トップダウンで、事業がスピーディーに進む」(岡本専務)と、提携のメリットを指摘した。2015年5月7日 ロイター

資本業務提携という事ですから、資本提携プラス業務提携を結んだという事になります。そして、その目的としてスマートハウス事業などの強化を挙げています。

それではどうして資本業務提携を結んだのでしょうか?ソフトバンクやヤマダ電機程の巨大企業であれば十分に自社でスマートハウス事業を推進する事も出来ると考えられますが、ワザワザ資本業務提携を結ぶわけですから何らかの意味があるハズです。

本稿では、記事でスマートハウス事業などを強化すると謳われているわけですから、スマートハウス事業にどのような影響がもたらされるかについて考えてみたいと思います。
  • 業務提携のメリットから考える
さて、まずは一般的な業務提携のメリットを挙げてみます。それは規模の経済や範囲の経済を獲得することです。

言い換えれば、より規模や事業がカバーする領域が大きくなれば(一般的には)低コストで運営することができるようになるという事です。

とすると、スマートハウス事業で両社の持っている経済的資源を持ち寄って、より低コストで事業を運営していくことを狙いとしているのですね。

そして、低コストで事業を運営することができれば、スマートハウスをどのような価格で提供するかについての選択肢が生まれます。

すなわち、現行の価格水準に従って販売し、しっかりと利益を確保するような値段設定にする(競合よりコストが安ければ利益が取れますからね)、もしくは思い切って安く販売し、市場シェア獲得をねらっていくといった選択肢です。
  • 低価格で販売するメリット
さて、低価格で販売して市場シェア獲得を狙っていくといった方向性に進むとさらにいくつかの利点が出てきます。

それは、市場シェアを獲得して累積販売する量が伸びれば、更なる低コスト化につながり(経験曲線効果という経験則です)、大きな利益を獲得することができるといった利点です。

さらに、スマートハウス自体は未だ標準規格が定まっていないため、市場を席巻しデファクトスタンダード(事実上の標準)の獲得をねらう事も可能であるという事です。

このように、一つのニュースの中には、様々な意図を読み取ることができるのですね。

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日本人は本当に働くことが好きなのでしょうか?それとも、シニア層に特有の考え方なのでしょうか?

バイドゥと夢の街創造委員会は、50歳以上のHao123トップページ利用者およびシニア・ナビ会員を対象に、「ビジネス」に関する調査を実施した。調査は3月9日~4月5日にかけて行い、480件の有効回答を得た。

中略

定年退職という制度がなかったら、働ける限り何歳まででも働きたいと思うか聞くと、76.5%が「はい」と回答した。定年退職制度がなければ働きたいと感じているシニア層が多いようだ。もし起業資金を得ることができたら、起業してみたいと思うかという問いに対しては、56.5%が「はい」、43.5%が「いいえ」と回答した。2015/5/3 マイナビニュース

といった、記事が出ていました。「働ける限り何歳まででも」というキーワードを約8割の人が肯定しているという結果は、かなりすごい結果ですね、。生涯現役を志向する人が本当に多いなら、定年制度は、働きたい人から仕事を奪っているという言い方もできてしまいますから。

さて、このような統計調査を見る際には「ふーん8割のシニア層が生涯現役を志向しているんだね…」と単純に捉えても良いのですが、もう一歩踏み込んで考えてみると色々なことが見えてきます。
  • アンケート対象者について
まず、『50歳以上のHao123トップページ利用者およびシニア・ナビ会員を対象に』と書いてありますが、この人たちは本当に、片よりなくシニア層の意見を代表している人たちなのでしょうか?

例えば、公務員さんに「公務員のお給料を今後引き下げるべきか?」といったアンケートを取れば、当然、「いや、現状でも低いくらいだ。むしろ上げるべき」といった回答が多くなることが想定されますよね?

または、都内在住の富裕層に「所有している車の価格は?」といったアンケートを取って、1,000万円といった結果が出たとして、「都内に住んでいる人が所有している車の平均価格は1,000万円」なんてことを発表したら「ちょっと待てよ?」と思いますよね。

この視点で見る時に、果たして『Hao123』の利用者、『シニア・ナビ会員』さんにそういったバイアスがかかっていないかをチェックする必要があります。(Hao123はよく分かりませんが、シニア・ナビ会員さんはトップページを拝見する限り、どちらかと言えばアクティブな人たちが多そうです。)

このように、アンケートの結果を見る際にはどのような母集団に対して行ったアンケートであるかも合わせてみないといけないのです。
  • 働くという意味について
さて、つぎは「定年退職という制度がなかったら、働ける限り何歳まででも働きたいと思うか?」という記述です。これは我々現役世代からすると「生涯現役という事は、フルタイムで働くという事かぁ。シニア層はスゴイな…」と考えてしまうかもしれませんが、『働く』という言葉がしっかりと定義されていません。

つまり、「ちょっとした仕事を何歳までも続けたい」と考えているのか「フルタイムで働き続けたい」と考えているのかが分からないのです。

但し、この文脈では「定年退職という制度がなかったら」と言っていますので、おそらく現在の働き方を続けるといった想定になるのかなぁとは読み取れます。しかし、それを明記していないので「ちょっとした仕事を何歳までも続けたい」と考えている人も、この問いにYesと答える可能性はのこっています。
  • 数字で示される情報には特に注意する
このように、数字を示している情報は一見すると真実であるような気がしてしまいますが、誰を対象に集めた情報なのか?言葉の定義ははっきりしているのか?といった視点で少し立ち止まって考えてみればまた違った事柄が見えてくるかもしれません。

そして、何らかの目的があって、このようなバイアスをあえてかけてくる場合もあります。数字が示された情報を見て「おっ」と思ったような場合には、このように、「誰を対象に集めた情報?」「言葉の定義は」といった視点で見てみると、情報をしっかりと読み取ることができるようになるかもしれませんね。

最後に記事タイトルの回収になりますが、『約8割のシニア層が定年制度が無ければ働きたい』という統計は本当?という疑問の答えは、そこまでは言えないのでは?といった感じになります。

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