
カワハギってとってもおいしいお魚ですよね。お刺身にすると身は淡泊ながらもしっかりと味があって、肝も濃厚でとてもうまみがあります。
とはいえ、お刺身を食べようと思うと、新鮮さが必要なためか結構なお値段がします。また、肝も食べたいところですが、生で食べるなら新鮮でないと少し怖いのでどうしても新鮮さにこだわることになってしまうのでしょう。
そのため、釣りをする人なら割とお目にかかる機会が多いとのことですが、釣り人でない私のような人間にとっては、それほど口にする機会の多くない魚だということができます。
■カワハギの養殖
とはいえ、最近では養殖ができるようになっているようで、新鮮なカワハギを手に入れることが簡単になりつつあるようです。報道では
馬のような顔つきのウマヅラハギの肝を養殖で大きくした「フォアグラハギ」が、18日~7月30日の水、土曜日、尾道市東尾道のJA直売所「ええじゃん尾道・尾道店」で販売される。身はフグに近い食感、肝には濃厚なうまみがあって、名前通りフォアグラのような味わいという。中略エサや餌づけ方法を工夫して短期間の養殖で肝を大きくすることに成功。県が2014年に商標登録した。朝日新聞 2016/06/17
とされています。
ちょっと気になったことは、定置網で採ってきてえさを与えて育てると書いてあるので、多分正確には『養殖』ではなく『蓄養』だと思うのですが、まあ、細かいことなのでわかりやすい養殖という言葉を使ったのでしょう。
■名物を作る発想
特に尾道近辺で特にカワハギがたくさん取れるというわけでもなく、また、古くから地域資源になっているわけでもないようですが、おいしい魚であるというところに目をつけて、フォアグラハギといった商標登録をしている点は注目に値します。というのは、名物を作ろうといった運動をする場合、多くの場合地元で取れるものとかを無理やり活用して、これから新たな需要を獲得していくといった考え方がなされます。
例えば、地元で取れる海藻をお菓子とか麺に混ぜてみたり、地元で広く栽培されている農産物を加工してレトルトパックを作ったりするイメージです。
でも、これはどちらかというとプロダクトアウトの発想で、売るもの、売りたいものが先に来ていて、消費者のニーズの調査等は後回しになっているケースがあります。
確かに名物としては、優れた商品が生み出されるのでしょうが、それが売れるかどうかは消費者が欲しがるかどうかにかかっているので、大当たりになるか、鳴かず飛ばずになるかといった傾向になりがちです。
しかし、このフォアグラハギの取り組みは、既に定評があるモノを供給していくというアプローチです。既にカワハギがおいしいのはある程度知られていることで、ある程度の需要はほぼ間違いなく見込める状態になっています。
そして、カワハギの肝がたくさん食べられるように蓄養することで、付加価値を付けた商品を提供することができるようになることが期待できます。
そのため、このフォアグラハギはコンスタントに売れると考えられます。
ひょっとしたら尾道の新たな名物になるかもしれませんので、『フォアグラハギ』という言葉を覚えておくとよいかもしれませんね。
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