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フェースブックが自動翻訳機能をテストしているとのニュースがありました。

 【AFP=時事】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は1日、投稿をユーザーの好みの言語に自動翻訳するツールのテストを開始したと発表した。
中略
 
フェイスブックは言語障壁を取り除くことを目標として、多言語投稿を使って機械翻訳の精度を改善しようとしている。2016/7/2AFP=時事 
外国の方とコミュニケーションをするためには、言葉の壁があるのですが、自動翻訳されれば、言葉の壁は低くなっていくことが予想されます。

正直、現在の自動翻訳の精度はひどいモノですが、機械学習とか昨今の技術の進歩を活用して本気でやっていけば精度が改善するのは明らかです。

とすると、「これで、海外の人とコミュニケーションがとりやすくなって、うれしいな」と考える人も多いと思いますが多分普通の人にとっては、うれしくない事がたくさん起こると思います。

■日本語の高い壁

日本語は学習するのが難しい言語だと言われます。日本語ネイティブでない人が日本語を使いこなすためには、平仮名とカタカナを使い分け、さらに膨大な数の漢字を覚える必要があります。

また、非ネイティブにとっても体系的かつ効果的な学習方法が確立されている英語などの言語と比較して、学ぶ人の絶対数が少ないために、学習方法がそこまで洗練されていないといった点も挙げられると思います。

(もちろん、日本語学習の方法論は積み重ねられてきた経験も歴史もあります。これは学ぶ人が非常に多い英語と比較しての話で書いています。)

そして、このような難しい言語が障壁となって海外からの労働力や商品・サービスの流入を防いでいると考えられます。

■言葉の壁が私たちの収入を守っている?

例えば、私は東欧圏で英語が使える人にちょっとした調査をお願いしたことがあります。調査自体は日本でも入手できる情報に対するものだったのですが、機会があったためか外の人にお願いをしたのです。

そして、その結果、日本人に頼むよりも、かなり安く精度の高い調査結果を入手しました。(もちろんそのあと翻訳の手間はかかりましたが。)

この経験から、翻訳の手間がかからないのなら、依頼する国にもよりますがサービスを入手するコストは劇的に引き下がります。

これは逆に考えると、言葉の壁がなくなると、私たちが提供する労働の価格は、安い価格を提示してくる海外の人たちと真っ向勝負になるということです。

もちろん、言葉の壁がなくなると、日本の相場よりも高い国へ私たちの労働を『輸出』することも容易になるのですが、多くの人にとっては収入を引き下げる方向に働くでしょう。

■競争が激しくなると

経済学的には競争が激しくなると、利潤を上げることが難しくなります。そして、経営学的には参入障壁が低くなるということは、競争の激化を意味します。

つまり、学問的には自動翻訳技術は日本人の収入にとってはネガティブな要因であると考えられるのです。

もちろん、そこにいなければできない分野の仕事はこういった、言葉の壁という海外からの参入障壁が下がる事の影響は少なくなると考えられるので、地域に密着した仕事をするか、いっそ海外に打って出られるような仕事をすることが今後は必要になるのかもしれませんね。